広がる風水の活用法

中国古代から伝わる方位占い術「風水」(ふうすい)は、自宅やオフィスで広く活用されています。 幸運を呼び込む目的や業績をアップさせるために部屋やオフィスのインテリアを変える、という利用方法が多いです。 中には「風水」の術を取り入れたおかげで思わぬ幸運が舞い込んだ企業もあります。

中国古代から伝わる方位占い

風水は、中国に古くから伝わる方位占い術。もともとは地気、地勢、陰陽五行(いんようごぎょう)などを考え合わせて、都城、住宅、墳墓の地を定める中国の学術。3世紀ごろ、中国の晋で体系化され、次第に実用化されるようになりました。

場所や人の運命、誕生日で結果は異なる

風水は、その地が持っている地の気“巒頭”(らんとう)とその人が生まれ持った目に見えない先天的運命である“理気”の二つを合わせないと成立しません。ですから、例えばオフィスも違う人が社長なら、全然違った結果が出ます。また誕生日が一緒でも生まれた年が違えば、全く結果は別です。それが風水の奥深さです。

無尽蔵にパターンがある

風水はその人の持つ先天的運命(生年月日など)に加え、その土地の地気を総合判断して決めるため、星座占いなどと違って無尽蔵にパターンがあるのです。

簡単風水法

生きた水(水槽)などを置くことによって幸運を呼び込む「簡単風水法」を紹介します。

方角が重要

まず、方位磁石を用意。家の図面に対角線を引き、中心点を決めます。 その後、磁石の北と24方位の羅経(らきょう)の北(0度)を合わせます。 一方、家の玄関(部屋の場合は入り口のドア)の正反対の角度(180度)の方向を決めます。これを座山(ざざん)といいます。 この座山と水槽を置いた位置で角度が決まります。

幸運となる主な水槽の設置方向
座山 水槽場所 効果
未坤 安定・温厚
巳丙 繁栄・健康
繁栄・健康
和合・柔和
風水が良く不要
発展・活動
和合・柔和
甲卯 繁栄・健康
艮寅 和合・柔和
丑艮 繁栄・健康
風水が良く不要
乾亥 繁栄・健康

日本での風水の普及の歴史

1990年代

日本で風水が広く一般に知られるようになったのは、1990年代です。

関連本が大ヒット

1994年4月に発売された「風水先生-地相占術の驚異」(荒俣宏著)は10万部を突破。さらに、同年8月に出版された「華僑の風水学」(鮑黎明著)も6万部を超えました。風水研究家の加門七海氏が書いた「大江戸魔方陣」も1万6000部を超えるヒットとなりました。大手書店の中には風水本コーナーを設けるところも出てきました。日本でいち早く専用コーナーを設置したとされる紀伊国屋書店(東京・新宿区)によると、従来は占い本といえば、星占いが中心でしたが、1990年代半ばから風水が主流になったといいます。

女性に人気

男性ばかりでなく、若いOLも、部屋の模様替えのために参考にするようになりました。個人によって全く運気が変わるという奥深さが人気を支えました。バブル崩壊後の景気悪化も追い風になったようです。