須野田誠（早稲田アカデミー創業者）の人生

早稲田大学時代に算数教室を立ち上げる

須野田誠さんは広島県福山市霞町で生まれ、育った。中学時代は山陽新聞の配達も経験した。

早稲田大学の在籍していた２年のとき、算数教室を始めた。仲間３人での起業だった。生徒は３人の小学生だった。

口コミで評判に

マンションの一室で教える小さな塾だった。単純に子供に教えるのが好きだったから始めたという。

教室は口コミで評判を呼び、１年で生徒数200人に増えた。４年目に法人化した。

30歳で交通事故により意識不明の重体に

当初は、学習塾を一生の仕事とする気持ちはなかったという。転機が訪れたのは30歳。帰省途中に交通事故にあった。意識不明の重体になった。

２カ月間の入院を余儀なくされた。当時生徒数2000人。「自分がいなくては会社は回らない。やめよう」と思った。

会社経営に本気で取り組む

しかし、見舞いにきてくれたアルバイト従業員たちは存続を訴えた。「一緒に頑張りましょう」と励ましてくれた。『俺を頼りにしてくれる人間がこんなにいるのか』と思ったという。

退院後、先生として子供に教えるだけでなく、会社経営に本気で取り組むようになった。以後、会社は拡大路線を進むことになった。

早稲田アカデミーの特徴（上場前の1990年代半ば）

塾名のとおり、早稲田大学系付属校の志望者が多かった。指導面では、平均14－15人の小人数クラスが特徴だった。

指導方針は「本気でやる子を育てる」だった。塾は結局、志望校へ受かるためのもの。合格するには否定的にやるより、肯定的にやった方がいい。挨拶や真剣に学習する態度について、しっかりと指導した。

深夜の特訓

深夜の特訓が有名だった。徹夜してどれだけのことができるか、また、できないかを身をもって体験して、入試までの期間を合理的に計画を立てた方がよい、ということを教える目的だった。

須野田氏が実際に教えていたころ、生徒を自宅に呼んで勉強していたら、いつの間にか朝になっていた、という自然発生的なものだったという。以前は月に１回やっていた。しかし、その後、事故があると困るとの理由から不定期的になった。

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経歴・プロフィール

ジャスダックに上場（1999年、IPO）

1999年、ジャスダックに株式の上場（IPO）を行った。

当時、首都圏屈指の早稲田・慶応系列校への合格実績をもつ進学・学習塾になっていた。

早稲田・慶応系列校への合格実績

早稲田・慶応系列校の中・高校の定員に占める早稲田アカデミー塾出身者の割合は、1994年の5.7％から1998年は18.4％に急上昇していた。

このため、生徒数も約6300名から、約7000名に増えた。既に上場していた学習業者の生徒数の約２倍～４倍の生徒を集めていた。

増収増益が続く

1998年３月期の関東圏内における学習業の株式公開企業（６社）の平均売上高は0.2％減、経常利益も35％減と低迷していた。

こうしたなか、早稲田アカデミーは売上高で11％増、経常利益でも20.4％増と好調に拡大路線を歩んでいた。直近３年間の売上高経常利益率は８％台で推移していた。

上場後も、売上高は毎年10％以上伸びた。

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上場後も勉強を続け、大学講師に

須野田氏は社長業の傍ら、2004年３月、母校早稲田大の大学院を修了した。

早稲田大学の現代政治経済研究所の起業研究主席研究員に就任した。

淑徳大の非常勤講師も務めた。「青年起業家論」を教えた。

後任社長に瀧本司（たきもと・つかさ）常務

須野田誠社長の急死を受けて、常務の瀧本司氏（たきもと・つかさ）が社長に就任した。45歳だった。就任日は2008年5月22日。

関連動画

▼結婚情報センター（NOZZE）の須野田珠美社長インタビュー by 日経CNBC

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